メーカーさんインタビューシリーズの第3弾!アルミ屋根カーポートを展開しているメーカーさんでは3番走者になるYKK APさんの登場です!
YKK APさんのカーポートといえば、ポリカーボネート製のカーポート『エフルージュ』が人気です。
透明度が高く採光性に優れた屋根材と、独自の「シーリングレス工法」により、安定した施工品質が保証できる特長を持ったカーポートです。

カーポートの種類も幅広く、リッチな価格帯から手頃なものまで、商品展開が幅広いのもYKK APさんの特長と言えますね。
そんなYKK APさんが満を持して発売したアルミ製屋根のカーポート『プレーンルーフ』。

アルミ屋根カーポートは現在ではLIXILさん、三協アルミさん、YKK APさんの3社が展開していますが、LIXILの発売は2017年、三協アルミは2023年、YKK APは2024年という順です。
他メーカーさんのアルミ屋根カーポートに寄せられていた声を充分に参考にできるという3番走者ならではの強みが、YKK APさんにはありました。
そのYKK APならではの強みとは何なのか、じっくりインタビューさせていただきつつ、せっかくの機会なので工場見学も社員一同で行ってきました!
見た目も絶対に妥協したくなかった職人魂

ーYKK APさんはアルミ製屋根カーポートの3番走者ですが、そもそも「アルミ屋根はうちは作らない」という選択肢もあったとは思うんですが?
そうですね、確かにいざ「作ろう!」と決まるまでには社内でかなり揉みました。三協アルミさんが発売した翌年にうちが出してますので、実質的にはLIXILさんのSCの発売を受けて、ということになりますが。
2000年代のはじめくらいに「シンプルモダン」という流れが出てきたと記憶しているんですが、そこからずっと世間の流れが「シャープ」「スッキリ」で続いていたので、うちもそっち系のカーポートを作り始めてはいたんですね。
ー「バローネ」ですか?

あ、そうですそうです。アルミ屋根カーポートの先駆けと主張したい商品です!価格的にやっぱりなかなか手が出にくいという面もあり、今はもう生産終了になってしまったんですが。
ーいざ「アルミ屋根カーポートを改めて作ろう!」となり、特に意識したことは何ですか?
やっぱり「審美性」ですね。見た目はもう徹底的にこだわりたかったです。LIXILさんのSCもやっぱりあの美しい見た目がSNSで火がついたんでしょうし、「カーポートって、かっこよさにお金を払ってもらえるんだ」という確認ができたことが大きかったです。
ープレーンルーフはカラー展開も豊富ですもんね。

そうですね。質感もマット仕上げだったり、アルミっぽさを生かしたものだったり、木調カラーは板幅を細くしてみたりして、こだわりまくってます!
これはプレーンルーフだけ!丸柱という発想

ープレーンルーフといえば、水平屋根&丸柱がやはりいちばんの特長でしょうか。



そうですね。特に丸柱は他社さんで扱っていませんので、いちばんの特長と言っていいかもしれません。プレーンルーフのテーマは「空間に溶け込むデザイン」ですので、丸柱のほうがお住まいのディテールに合う、とチョイスするお客様も多くいらっしゃいます。先ほどもお話ししたように、やっぱりまずは「見た目」にこだわりたかったので。
ー見た目以外のところでの強みはどんなところですか?
シーリングレスです!カーポートを組み立てていく上で、部品と部品の接合って職人さんがコーキング材を塗布して繋いでいく作業があるんですが、やっぱりあくまで「手作業」ですので、職人さんの腕に左右されてしまう部分が否めなくて。
更に、コーキング材って接着剤みたいなものですので、だんだん劣化していきます。そうすると、そこから雨漏りしていくんですね。「担当する職人さんの経験値に左右されず、長持ちするカーポートにしたい」ということで、YKK APのカーポートは「シーリングレス」の技術を採用しています。


ーLIXILさんも仰ってましたが、今は職人さん不足が深刻ですので、経験値の浅い人や外国人の職人さんでも、誰が組み立てても同じ仕上がりにもっていけることってすごく重要なんですよね。
本当にそうです。エクステリアアイテムの中でカーポートってたぶん最も単価が高いものですよね。何十万円、何百万円という買い物をしたのに、その仕上がりレベルは職人さんの腕次第、なんてことは避けなくてはいけないと思います。
あとは、オプションではなくて標準装備として枯葉ネットがついていることも親切かなと思います(笑)

【インタビューシリーズ恒例・ここだけの話】「弱点」
ーこれはLIXILさんにも三協アルミさんにも恐縮ながら質問させていただいたので、ぜひYKKさんにも…プレーンルーフの弱点、ありますか…?
頑張って答えます(笑)。照明、ですね。夜に車の出し入れをされる方はオプションで屋根に照明をつけますよね。LIXILさんや三協アルミさんはラインライトがオプションで選べるんですが、プレーンルーフはダウンライトのみで、ラインライトがありません…。


ー技術的なことですか?
そうですね~ラインライトは実は結構難しい技術でして…もちろん販売できないことは無いんですが、やっぱりここも「徹底的に見た目にこだわりたい」という思いが強く、LEDならではのツブツブした陰影が出てしまったり、あとはコスト的な部分や特許的な問題や…いろいろ課題がまだ残っています(汗)
ーコストの話が出ましたが、後手ならではの強みで、価格を少しでも下げてしまえば良かったのに、という疑問があるんですが?
いや~(汗)…LIXILさんも三協さんもたぶんあの価格が限界だったんじゃないでしょうかね…?
ーはい、三協さんはそう仰ってました(笑)
やっぱり(笑)。そうなんですよ~限界ギリギリなんで、価格競争よりも技術競争や個性のほうで勝負したほうが健全、という結論です。利益的には赤字だけど売れるから売ります、というのはやっぱり健全じゃないので避けたかったですね。それでなくてもほんとに原材料費や輸送費がどんどん上がっていってますから…。
開発部が思う「YKK APの個人的推し商品ベスト3」

ーこれも恒例の質問なんですが、メーカー担当者さんが思う「個人的に好きな商品」を教えてください!
ではカウントダウン方式で3位からいきましょうか(笑)。
第3位は、「リウッドデッキ」です!

「リウッド」ですので、再生木を使用しています。木粉とプラスチック(ポリプロピレン)を主原料としたノンホルムアルデヒド商品です。木粉が入っていますので完全人工ではなく、木の温かみはしっかり残りつつ、腐食がしにくくお手入れが楽という「いいとこ取り」ですね。
ー第2位!
フェンスの「YS2型」です!

多くのお客様に選んでいただける一般的なフェンスなんですが、フェンスって基本的には「裏」と「表」があって、表を道路側に向けるかお住まい側に向けるか、お選びいただくんですね。道路側を表にする方が多いと思うんですが。YS2は表と裏が無く、道路からもお住まい側からも「表」になるのが特長です。ここもやっぱり「見た目」にこだわる方のニーズをしっかり拾いました。
ーでは第1位を!
もうここは「カーポート全般」と言わせてください!やっぱり「シーリングレス」というのはかなり自慢の技術なんです。職人さんの技量に左右されないこと、コーキング材の劣化からくる雨漏りの心配が少ないことなど、他社さんには無い、うちだけの強みをぜひ多くのお客様に実感していただきたいですね!

