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〈予算組編〉エクステリアで大事な知識

エクステリアのお見積り

エクステリア工事の予算って、どのように立てればいいの?

よく、エクステリアの相場はいくらですか?と聞かれますが、諸条件によって変わります。

全てではないですがよくあるケースの諸条件について説明します。

ご要望とは別で必要な費用の算出条件

敷地条件

土工事の程度

土は盛るにも処分(残土処分)するにも費用が発生します。例えば、ブロックを積むにしても、ブロックの基礎を作る分、残土処分しないと敷地に山ができてしまいます。「それくらい構わない」と思われる方もいらっしゃいますが、土は地中から掘り起こすと、膨れ上がり1.3倍程度の体積として計算されることが一般的です。想像以上に処分は大変です。

また、「敷地が開いている場所に撒いといて」と言われることもしばしばありますが、このことを一般的に「場内処理」「敷地内処理」と言います。

この場合、残土処分費用がかからない分、場内での作業が増えその分のコストが必要となります。一概には言えませんが、土の処分には1㎥あたり5,000〜10,000円程度の予算を見ておくと良いかと思います。

撤去物の有無

エクステリア工事を行うにあたってよくある撤去物は、植栽や樹木の撤去、土を掘り起こした際に出てくるガラ(石やコンクリート辺、場所によっては瓦など)の撤去などです。また、リフォームに伴うエクステリア 工事の場合は、既存のアルミ製品やコンクリート製品の撤去加工費用がかかってきます。処分費は基本的には1tあたりの計算ですが、石やコンクリートは2,500〜8,000円/tなのに対して、いろいろなものが混ざってしまうと1.5倍以上と大きく処分費は変わってきます。

隣地との境界条件

既存の境界条件によっても大きく費用が異なります。分譲地購入などの場合は、購入時に隣地との境界にブロックがあるかないかも大きなチェック項目の1つです。

また、建て替えや隣地にすでに家が立っている場合の新築工事などは、今の境界がどのようになっていて、境界の構造物(ブロック、石積み、コンクリート擁壁など)が次の建て替え時まで耐久できるものかが重要になってきます。多くの場合は、新築住宅建築後に境界のみ工事することは、割高な工事になるか工事不可能です。

隣地との境界に段差(高低差)がほぼ無く、フラットでかつ、作業スペースがしっかり取れる場合で境界ブロック1段積みとする場合で、3,000〜5,000円/mほどが相場となってきます。

高低差

前出の<隣地との境界条件>との兼ね合いも出てきますが、隣地との境界や敷地内に、大きな段差(高低差)がある場合は、高さにもよりますが「土留め工事」が必要な場合がほとんどです。(敷地が広い場合は法面(緩やかな坂)で残す場合もありますが)

土留め工事は条件によって複雑に予算組みが変わりますので、ここでの記載は控えさせていただきます。

工事条件

手掘り、手運搬、手解体

トラックやショベルカー(ユンボ)が工事場所まで入っていけるかどうかによっても価格は変わってきます。

土を掘る場合に、機械を使わずに土を掘ることを「手掘り」、土や材料や機材を手で運ぶことを「手運搬」、機械を使わずに壊すことを「手解体」と言いますが、機械を使うより大変な工事となる分、割高になります。

これも、「どれくらい大変か=(何人でどれくらいの時間がかかる作業か)」によって価格はまちまちですが、職人さんの人件費で考えるとおおよその費用感は掴めるかと思います。

水、電気、工事車両の駐車場の有無

エクステリア工事をするにあたって水、電気は必ず必要です。更地から工事を行う場合などは水が使えないケースもあり、その場合、タンクで水を持ってきたり、発電機を持ってくるなど、経費がかかります。

また、市街地で敷地前に駐車ができない場合など、敷地条件によって近くのパーキングを借りないといけない場合もあります。この場合、もちろん工事をするにあたって、駐車場代が発生します。工事期間や車両数や駐車料金にもよりますが、工事をするにあたっての必要経費となります。

重機(ショベルカー、ユンボ)の乗り入れ可能サイズ

・敷地が小高いところに立っている
・傾斜地を利用した住宅地
・駐車場から階段で建物の入り口まで登り下りするような敷地
・重機が敷地まで自走で入っていけない

などのケースが考えられます。

仮設の乗り入れ口を作れればいいのですが、それも無理な場合は、さらに小さな重機を、大きな重機で吊り上げて工事場所まで運ぶこともあります。これによっても大きく費用は異なりますが、かなりの手間がかかる(費用がかかる)イメージはしていただけるかと思います。

駐車場の台数

予算組みの要素の1つとして駐車場の台数が挙げられます。

工事条件が厳しくなければ、土間コンクリートで仕上げる駐車場1台あたり15万円〜25万円が予算組みとしては良いかと思います。

しかし、広域の駐車場の打設にはポンプ車が必要となったり、コンクリートと他の部分の兼ね合い、コンクリートの運送が複数回必要となったりと一概には概算金額が出せない場合もあります。さらには、土間コンクリートの表面をどのように仕上げるかもコストに差を生みます。

金鏝仕上げ(表面がフラットな仕上がりのタイプ)

メリット
見栄えがよく掃除がしやすい

デメリット
職人さんの腕によて仕上がりにムラが生じやすい

刷毛引き仕上げ(表面に細かな溝がありザラザラした仕上がりのタイプ)

メリット
他の方法より仕上げやすいため出来栄えにムラが生じにくい、滑り止め効果

デメリット
ザラザラしている分汚れがつきやすい

などが一般的ですが、その他にも以下の工法があります。

・カラーコンクリート仕上げ(コンクリートに色をつける)
・洗い出し仕上げ(表面に砂利が見えていて、ブツブツした仕上がりのタイプ)
・塗料仕上げ(表面に塗料をコーティングする)
・乱形石張り(大小の平たくカットされた石を並べて土間コンクリートで固める)
・スタンプコンクリート、ステンシルコンクリート(コンクリートで石の形などいろいろな形に形成し、塗料で風合いをつける工法 ※某テーマパークなどでよく見る)

いずれも共通して、以下のメリット・デメリットが挙げられます。

メリット
見栄えが良くなる

デメリット
仕上げ工程が増えるためコストがかかる

仕上がりと予算から逆算して、理想の駐車場を施工してください。

アイテム

ここでのアイテムとは、「アルミ工事」と言われる部分を指します。

アルミ工事とはザックリ言うと、LIXIL、三協アルミ、YKK、四国化成、タカショーなどの建材メーカーさんの製品の設置工事です。

具体的な商品としては、カーポート、ウッドデッキ、門柱、フェンス、テラス、などが挙げられます。

カーポートは10万円以下〜数百万円のものまで幅広く商品が存在しています。

よくご依頼されるもので言えば、1台分のカーポートで20万円前後のもの、2台分で30万円前後のものが多いかと思います。

また、値段の幅としては、大きさはもちろん、デザイン性、屋根の形状、オプション費用(屋根の高さ、サイドパネル、証明など)でコストが大きく左右します。

ウッドデッキは、天然木だけでなく樹脂のタイプのものなどもあり、また広さにもよって材料費も工事費も変わりますが、おおよそ3〜4万円/㎡あたりが予算組みとしては良いかと思います。

よって、少し広めの6畳(おおよそ2.7m×3.6m)くらいの大きさであれば、おおよそ30〜40万円程度の予算かと思います。

門周りは、機能門柱と言われる、1つの柱状のものにポストやインターホンや表札などが付いているものが製品として存在します。こちらも価格は数万円〜といったところでしょうか。

また最近では、宅配ボックスの設置も多く、こちらは大きさにもよりますが、ある程度のサイズのものであれば、10万円前後の予算組みはしたいところです。

フェンスもまた、仕様により価格が大きく変わります。目隠しをしたいのか、心理的区画をしたいのか、防犯のための設置なのか、、、いろいろ用途があるかと思います。フェンスの高さが80㎝くらいのものであれば、おおよそ8,000円くらいですが、背の高いものや洋風なアイアンのものなどは、数倍の価格です。

また、フェンスを支える部材や工事方法によっても価格が変わってきます。フェンスの柱を直接地面に固定する場合、コンクリートブロックを新設する場合、既存のコンクリートの壁に固定する場合、、、いろいろなケースがあります。

これは、敷地状況や選ばれたフェンスの種類、また用途によって大きく異なりますので、ケースバイケースとなります。

まとめ

まず最初は、おおよその希望と予算を伝えて「お任せプランでよろしく!」でもいいと思います。これだけ情報が出回っている時代だからこそ、相場より圧倒的に高い価格で提示するエクステリア業者は、その工事をやりたくない業者と思っていいかと思います。(相場がわからないときは、弊社でお見積りのセカンドオピニオンも行っています。ご相談ください!)

STAFF
デザイナー/1級エクステリアプランナー/二級建築士
加納拓

「お庭からはじまる家づくり」を推奨し、建築視点でアドバイスを行います。 エクステリアの業界誌で約5年間コラムを掲載するなど、エクステリア業界の地位向上を目指した活動も行なっています。

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